ランニングをしていて、体に張りや痛みを感じたことはありませんか。ランナーの故障で多いのが膝の故障です。中でもお皿の下端が傷む膝蓋(しつがい)靭帯炎、ひざの下内側が痛む鵞足(がそく)炎、ランニング中スピードを上げたり坂の下りで膝の外側が痛む腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)炎などが有名です。
腸脛靭帯とはおしりから膝まで伸びる長い靭帯です。私の場合は20~25Km 以上走ると腸脛靭帯炎が出てきます。腸脛靭帯炎とは、この腸脛靭帯が膝関節でこすれて、のひざの外側部分に痛みが出ることです。
ここでは腸脛靭帯炎を含む足の故障を防ぐためのストレッチについてお伝えします。
故障の原因
私の場合、膝に痛みが出る前は腿の外側に張りを感じます。その前に、おしりに張りを感じます。腿の外側に張りを感じる少し前に、腰に張りを感じます。
つまりおしりの筋肉が固くなり、そこにつながる腰や腸脛靭帯の柔軟性が失われる。その結果、20~25Kmで膝に痛みが発生する。これが私の場合の痛み発生メカニズムと感じています。

そこで、ランニング前の予防策としてできるストレッチについて考えました。伸ばす場所は腰、おしり、足を中心に伸ばしていきます。

その他の体メンテナンスとしては、骨盤矯正があります。マラソン大会参加前にはいつも骨盤矯正を行うのですが、少なくとも腰の張りには効果があります。恐らく左右のバランスが良くなるために、片側に負荷がかかることがなくなるのでしょう。

ストレッチ
股関節と背中のストレッチ
腰を落として股関節の可動域を広げます。併せて肩を入れて背中を延ばします。肩甲骨周りの可動域が広がれば、ランニング中の呼吸にも好影響を与えます。


足のストレッチ
足の腿の内側を伸ばします。なるべく腰を深く落として伸ばしている足を、なるべく遠くに出すことでより腿の内側を伸ばすことができます。


床に寝そべって、タオルで足をひきつけます。足の裏側が伸びるのを感じてください。無理にタオルを引っ張るのではなく、痛気持ちいいくらいのところで止めるようにします。


下の左側の動きでふくらはぎを伸ばします。このとき反動をつけて延ばすのではなく、少しづつ体重をかけながらじんわりと伸ばします。下の右側の動きでは曲げた方の足の、脛の部分を伸ばします。こちらもじんわりと体重をかけていきます。


おしりのストレッチ
私は個人的には一番重視しているストレッチです。下の図はおしりの右側を延ばす場合です。右足の足首付近を左ひざ上にかけ、左足腿を手で引き付けていきます。この時、おしりが伸びるポジションを探って下さい。おしりの右側を突き出すようにすると、臀筋が伸びるのを感じられると思います。


おしりを伸ばす方法としては下のように椅子に座りながらすることもできます。下の図はおしりの右側を伸ばす場合です。上の図と同じように右足の足首付近を左ひざ上にかけます。おしりを伸ばす方法としては、自分の体重を右足にかけていきます。
こちらの方法は、ランニング前だけでではなく、昼間のオフィスでもすることができます。それぞれのシチュエーションでやりやすい方を選んでください。


腰のストレッチ
下の図は左の腰を伸ばしています。左足を直角に曲げて、右に倒していきます。右の床に左膝が付くのが理想ですが、それよりも肩を地面から離さないでください。片を床に付けたままでできる範囲で足を倒していきます。


まとめ
ランニング前には、上で述べた6種類のストレッチを行っています。ここで着目するのはおしりの張りと腰の張りです。普段のランニングでは普通にしていて張りを感じない程度で問題は起こりません。
が、フルマラソンの時には凝り固まった筋肉をほぐす必要があります。レースの1週間前から、朝晩充分に時間をかけてストレッチをしています。
併せて骨盤にゆがみを感じている人は整体を取り入れてみてください。必ず腰の張りには効果が得られます。これらの体メンテナンスで、元気にランニングを続けられるコンディションを手に入れてもらえればうれしいです。



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